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2024.02.09
山形県がさくらんぼの名産地なのはなぜ?全国で唯一栽培が成功した理由を解説

国内の8割のさくらんぼを栽培している、さくらんぼの名産地「山形県」。

冬の寒さが厳しい地域でしか育たないさくらんぼですが、他にも寒い地域は存在するにも関わらず山形県でのみ栽培が盛んな理由が気になりますよね。

この記事では、山形県が全国で唯一さくらんぼ栽培に成功した理由と歴史を紹介します。

山形県やさくらんぼの秘密が知りたい方は、ぜひチェックしてくださいね!

全国1位!山形県はさくらんぼの名産地

引用:農林水産省公式サイト「令和4年産びわ、おうとう、うめの結果樹面積、収穫量及び出荷量」

くだもの王国である山形県は、さくらんぼの収穫量が全国一位であることでも有名です。

その収穫量は全体の8割と、2位の北海道に大差をつけています。

山形県でさくらんぼが名産になるまでの歴史

なぜ山形県は、他の地域よりもさくらんぼ栽培に秀でているのでしょうか。

この章では、山形県がさくらんぼ栽培に成功するまでの歴史をご紹介します。

明治にドイツやアメリカからさくらんぼの苗木が渡来

さくらんぼが日本に輸入されたのは明治元年(1868年)、ドイツのガイトネルが北海道に6本のさくらんぼの樹を植えたのが始まりです。

その後アメリカから25種の苗木を輸入して全国に配布しましたが、日本の気候や風土に適さず、実りがあったのは北海道や東北などの一部の地域のみでした。

その後アメリカでさらに品種改良され、再び輸入されたさくらんぼの苗木は、日本の気候や風土に適していたため無事に定着しました。

それが、山形県の産地に残されている「ナポレオン」や「高砂」などの品種です。

全国のさくらんぼ試験栽培で実績を残した山形県

主にアメリカから輸入されてきたさくらんぼの苗木は、全国各地で試験栽培がおこなわれました。

山形県では明治8年に初めての苗木が手に入り、明治11年には寒河江市にさくらんぼなどの外来種試験場がつくられています。

その後山形県はさくらんぼの栽培実績を上げましたが、ほとんどの都道府県では梅雨や台風被害などにより栽培が失敗してしまったようです。

大正に現在のトップブランド「佐藤錦」の誕生

大正元年、山形県では佐藤栄助氏が「黄玉」と「ナポレオン」を交配。

日本の代表品種となる「佐藤錦」を開発しました。

それまで缶詰加工が主体だったさくらんぼですが、未加工でも糖度が非常に高い佐藤錦の誕生により生食文化が加速。

現在でも佐藤錦は、山形県のさくらんぼ栽培面積割合の7割を占める主戦力となっています。

山形県がさくらんぼ栽培に成功した5つの理由

さくらんぼが全国で試験栽培されたのにも関わらず、山形県のみで成功した理由は主に5つです。

➀冬の寒さが厳しい

②夏の暑さが厳しい

③梅雨の降水量が少ない

④台風の被害が少ない

⑤大規模な霜害が少ない

ひとつずつ解説しますね。

➀冬の寒さが厳しい

基本的にさくらんぼは、寒い冬を越す際に休眠することで花や実がつきます。

そのため温かい地域では栽培が難しく、冬に降雪があり寒さが厳しい山形県は休眠に適しているようです。

②夏の暑さが厳しい

さくらんぼは季節の温度差が大きければ大きいほど、糖度が高く果汁の詰まった実に育ちます。

盆地気候である山形県の内陸地は、冬の寒さだけでなく夏の暑さも厳しいため、さくらんぼ栽培にぴったりです。

③梅雨の降水量が少ない

さくらんぼの果実は水に非常に弱く、雨粒などがつくと果皮が割れやすくなります。

割れた部分は傷んだりカビが生えたりするため、廃棄するしかありません。

そのため梅雨の長雨は、梅雨時期に収穫を迎えるさくらんぼにとって大敵といえます。

山形県は梅雨時期の降水量が全国の中でも少なく、さくらんぼが雨の被害に合いにくいのが大きなメリットです。

④台風の被害が少ない

さくらんぼの樹は、土壌の浅い部分で根を張る特徴があります。

そのため台風などで強い風が直撃すると、根こそぎ倒木する恐れがあります。

高い山々に囲まれた山形県の内陸地は、強い風を山が遮ってくれるため、台風被害から果樹を守れるのが利点です。

⑤大規模な霜害が少ない

霜害は果物栽培の天敵です。

とくにここ数年温暖化による現象で増えている遅霜は、芽吹き始めたばかりの花の蕾を枯死させてしまいます。

花の蕾が枯死してしまえば、実がつくことはありません。

山形県は比較的大規模な霜害が少ないため、さくらんぼの収穫量が安定しやすいといわれています。

それでも近年は遅霜が降る危険性がある日が増えているため、防霜ファンなどを使用して霜害の未然防止を目指しています。

さくらんぼ生産量世界第一位のトルコのギレスンと寒河江市は姉妹都市

日本で最もさくらんぼを栽培しているのは山形県ですが、世界でさくらんぼの生産量が最も多いのはトルコです。

引用:グローバルノート「世界のさくらんぼ生産量国別ランキング・推移」

トルコのさくらんぼ生産量は全世界の4割を占めており、とくにギレスンはさくらんぼ原産国として有名です。

紀元前65年にギレスンからローマに伝わったさくらんぼは、その後ヨーロッパ全土に広がったといわれています。

そんなギレスン市と山形県の寒河江市は、昭和63年に姉妹都市終結。

寒河江市内に「トルコ館」を開設するなど、長年親交を深めています。

寒河江氏とギレスン市の経度がほぼ同じな点にも、さくらんぼ栽培が活発になった理由が隠されているかもしれませんね。

まとめ

山形県が全国トップのさくらんぼの名産地になったのは、高い山々に囲まれた盆地気候により、梅雨や台風被害から果樹が守られるためです。

またさくらんぼが実を付けるのに必須である冬の寒さと、糖度を増すために必要である夏の猛暑も、さくらんぼ栽培の追い風になっています。

「冬が寒い」「降水量が少ない」などデリケートなさくらんぼ栽培に適した条件の全てが揃う山形県だからこそ、さくらんぼの名産地になったといえます。

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