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2023.07.07
さくらんぼの栽培は難しい?!実がなるまでに4〜5年はかかる!

桃栗三年柿八年…という歌があるように、食べ物の成る木が収穫できるようになるまでには当然時間がかかります。

桃や栗は3年、柿に至っては8年もかけてやっと収穫といえそうです。

では、さくらんぼは栽培を始めてからどのぐらいで実をつけるのでしょうか。

そもそも、さくらんぼの栽培は簡単なのか、難しいのか。

家庭菜園でも美味しいさくらんぼが栽培できるのでしょうか。

知っておきたい「さくらんぼが実をつけるまで」をご紹介します。

さくらんぼ栽培が難しいのはなぜ?

最初に答えてしまうと、さくらんぼの栽培は非常に「難しい」とされています。

家庭菜園で始めてみたい方向けに、ホームセンターなどでもさくらんぼの木(ある程度成長したもの)は販売しています。

しかし、知識がないまま「植えればいいんだ!」という勢いだけでは、さくらんぼは実をつけません。

さくらんぼの栽培が難しいといわれる主な理由は、以下の7つです。

・種からの発芽率が低い

・実を収穫するには、2本以上の品種を植えておく必要がある

・寒い冬に休眠する必要がある

・病気や害虫に弱い

・水はけが悪いと根腐れを起こす

・日当たりが悪いと実がつかなくなる

・実がつくまでに4年程度かかる

ひとつずつ詳しく解説しますね。

種からの発芽率が低い

さくらんぼの種は、プロのさくらんぼ農家さんが撒いても1000粒中1つ芽が出る程度。

非常に発芽率が低く、種からの生育が難しい果実です。

さくらんぼを育てるなら、苗木屋さんやホームセンターで苗を購入するのが無難でしょう。

さくらんぼの実が成るには「2本2品種以上」必要

さくらんぼの木は自家受粉できないため、実をつけるためには受粉作業が必要です。

自家受粉とは、同じ花の雄しべから出た花粉が雌しべに受粉することです。

さくらんぼの木は雄しべと雌しべが同じ花にあるため、自家受粉できると思われがちですが、実際にはほとんどの品種が自家不稔性で自家受粉しても受精しません。

そのため、花粉を運んでくれるハチや人の手で受粉作業を行う必要があります。

なお、交配の相性が良いといわれる組み合わせの例です。

・佐藤錦×ナポレオン

・紅秀峰×佐藤錦

反対に、交配しない組み合わせもあります(交配不親和性とよばれます)。

・佐藤錦×南陽

さらに樹同士にも相性があるため、農園にはメインの品種に対し別品種の樹が20%程度植えられているケースが多く見られます。

上記の理由から、さくらんぼを実らせるためには2本2品種以上のさくらんぼの樹が必要とされています。

1種類でも受粉できる品種もあるようですが、プロでないと見極めは困難でしょう。

寒い冬に休眠する必要がある

さくらんぼが実をつけるためには、一定以下の気温の中で一定期間の休眠が必須です。

そのためさくらんぼ農家さんのほとんどは、山形など冬に積雪があり寒さが厳しい地域に存在しています。

さくらんぼを休眠させるには、7度以下の気温が1200時間程度持続する環境が理想です。

病気や害虫に弱い

さくらんぼは病気や害虫に弱い果樹です。

さくらんぼの病気には「褐斑病」や「灰星病」などがあり、葉などに症状が出現します。

症状がある部分は取り除き、薬剤を散布するなどして拡大を防止しましょう。

またさくらんぼの樹を狙う主な害虫は、以下の2種です。

害虫名発生時期症状予防・対策
コスカシバ・5月中旬~下旬・8月下旬~9月上旬・枝枯れ・樹の衰え・成虫が発生する前に薬剤の塗布・幼虫の駆除や被害部へ薬剤の塗布
ウメシロカイガラムシ・5月~6月・8月・枝枯れ・生育不良・休眠期に石灰硫黄合剤の散布・幼虫に薬剤を散布

どちらも樹の栄養を吸い取ってしまうため、放っておくと株ごと枯れてしまう恐れがあります。

害虫が発生する前に予防し、発生した場合は早期の駆除を心がけましょう。

水はけが悪いと根腐れを起こす

さくらんぼは少し乾燥した土を好み、水はけが悪い土壌では根腐れを起こす恐れがあります。

日当たりや水はけのよい土壌を選び、水のやりすぎを避けましょう。

日当たりが悪いと実がつかなくなる

さくらんぼは日光をたっぷり浴びると、赤く大きな実に育ちます。

反対に日当たりが悪いと実がつかなかったり樹が弱ってしまう恐れがあるので、日光がしっかり当たる場所に植えましょう。

さくらんぼの実がつくまで4年かかる

厳しい条件をクリアしながら成長を続けても、さくらんぼの実が成るには4〜5年かかるといわれています。

さらに成木になるまでには、約10年かかります。

成木になれば5000~10000個以上のさくらんぼが収穫できるようになるので、楽しみに栽培を続けたいものです。

さくらんぼの栽培7つのポイント

実際に、さくらんぼの家庭栽培にチャレンジする場合のポイントを7つまとめました。

・幹が太くツヤがある苗を2品種以上選ぶ

・大量収穫なら地植え、コンパクトなら鉢植えにする

・12月~3月に植え付けをする

・年に2~3回肥料を与える

・水をやり過ぎない

・夏と冬に剪定や切り戻しをおこなう

・開花したら受粉を手伝う

ひとつずつ詳しく解説していきますね。

幹が太くツヤがある苗を2品種以上選ぶ

前述したとおり、さくらんぼの受粉には2品種以上の樹が2本以上必要です。

苗木を購入する際は、品種や相性以外に以下の点に注目しましょう。

・接ぎ木苗(接ぎ木目部分が目立たないもの)を選ぶ

・幹が太くしっかりしている

・樹の皮にツヤがある

・固く大きな芽が多くついている など

またできるだけ早くさくらんぼを食べたい方は、2歳以上のある程度育った苗木がおすすめです。

大量収穫なら地植え、コンパクトなら鉢植えにする

さくらんぼは、地植えでも鉢植えでも栽培が可能です。

将来的にたくさんのさくらんぼを収穫したいなら地植え、省スペースでコンパクトに栽培したいなら鉢植えを選びましょう。

地植えの場合は、通常の桜の木のような大木に育ちます。

12~3月に植え付けをする

さくらんぼの苗木の植え付けは12〜3月が適切です。

地植え・鉢植えともに、日当たり・水はけ・風通しのよい場所で植え付けしましょう。

生育温度は7〜21℃で、冬の寒さが厳しい土地を好みます。

土は水はけと水持ちのよさが重要で、市販されている果樹用培養土が便利です。

年に2~3回肥料を与える

さくらんぼは、地植えの場合は年に2回程度(2月、10月)、鉢植えの場合は年に回程度(2月、5月、10月)に施肥しましょう。

有機肥料や速効性化成肥料などがおすすめです。

水をやり過ぎない

さくらんぼの水やりは、地植えと鉢植えで異なります。

地植えの場合は雨水で十分ですが、真夏で乾燥が続く場合は水を与えましょう。

鉢植えの場合は表面の土が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで与えます。

冬は水やりの回数を控え、乾燥気味に育てましょう。

夏と冬に剪定や切り戻しをおこなう

日当たりや風通しをよくするために、12〜2月と7〜8月の2回剪定をおこないます。

冬は細めの枝や方向がおかしい枝を軽く取り除き、夏は樹の高さを調整するための剪定をしましょう。

また切り口を放置すると病気になる恐れがあるため、癒合剤の塗布がおすすめです。

開花したら受粉を手伝う

さくらんぼの花が開花したら、受粉の手伝いをおこないます。

毛ばたきや柔らかい筆などを使用して、授粉樹の花粉をさくらんぼを成らせたい樹の花の雄しべに付着させましょう。

さくらんぼの収穫は5~7月頃

さくらんぼは5〜7月頃に収穫時期を迎えます。

花が咲いてから15日程度で実り始め、さらに40日程度かけて大きくなっていきます。

全体的に赤く熟した実から収穫してくださいね。

まとめ

さくらんぼをこれから栽培してみたいと考えた時には、確かな知識を持って臨みましょう。

知識や環境が整えば、家庭菜園でもチャレンジ可能です。

まずはホームセンターなどで苗木の購入からスタートできますよ。

ただし品種はしっかり確認してくださいね。

さくらんぼの栽培は難しいものですが、時期によって適切な育成を促せば、期待に応えて美味しいさくらんぼの実をつけてくれます。

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