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2023.10.09
ラフランスの名産地山形県!由来と生産している西洋梨7品種について解説

日本で生産しているラフランスの8割は、山形県で栽培されています。

栽培が難しいといわれているラフランスが、なぜ山形県の名産になったのか気になる方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、山形県がラフランスの名産地になった由来や理由について解説します。

山形県で生産されているラフランスや洋梨の品種についても紹介するので、山形県が洋梨王国になった秘密が知りたい方はぜひチェックしてみてくださいね。

ラフランスが山形県名産になるまでの由来と歴史

なぜラフランスは、山形県で多く生産されるようになったのでしょうか。

ここからは、ラフランスが山形県名産になるまでの由来と歴史について詳しく解説します。

ラフランスの原産国はフランス

ラフランスのルーツはフランスです。

1864年に初めて発見され、その美味しさがフランスを代表する果物としてふさわしいと絶賛されたため、「ラ・フランス」と名付けられたと伝えられています。

西洋梨が日本に渡って来たのは明治初期

西洋梨は16世紀頃からドイツやイギリスで栽培され、明治時代初期に洋梨の代表的品種「バーレット」が日本に渡来してきたといわれています。

山形県ではバーレットの栽培を明治8年頃から、ラフランスの栽培は明治36年から始まったという説が残されています。

それまで追熟が必要のない和梨を栽培していた日本人は、ラフランスを収穫後すぐに食してしまい、美味しくないとがっかりしたようです。

しばらくして「収穫後に追熟させると非常に美味しい」という事実に気づいたものの、栽培の難しさや西洋梨に不慣れなどの理由から浸透するまでに時間がかかりました

大正天皇の東北行幸をきっかけに西洋梨栽培が活性化

明治8年頃から西洋梨の樹が山形県にあったという説がある一方、「明治42年の大正天皇の東北行幸の折にバーレットの苗を賜った」という説もあります。

明治42年前から山形に西洋梨の苗が存在した可能性は高いですが、大正天皇から賜ったのをきっかけに、山形県で西洋梨栽培が活性化しはじめたと推測されます。

西洋梨が普及してもラフランスは注目されず

明治42年から西洋梨が注目され始めたものの、生産の多くは缶詰用のバーレットでした。

ラフランスは栽培や追熟の見極めが難しいうえ、凹凸の多い見た目から「みだぐなす(見た目がよくない梨)」と避けられていたようです。

ラフランスはバーレット畑の端っこに、数本植えられていただけ。

果樹は別の品種を交配用の受粉樹として植えると実が結びやすくなるため、ラフランスはバーレットの授粉樹として存在するのみでした。

山形県でラフランスの生産が安定したのは昭和後期

ラフランスの生産が活性化してきたのは、昭和60年頃。

山形に渡来してから100年もの月日が経過していました。

食文化の多様化でフルーツの生食をする人が増え、ラフランスの栽培が本格化し、需要と供給が安定してきたのが理由です。

そこから現代に至るまで、ラフランスは「洋梨の女王」として不動の地位を築いています。

なぜラフランスの栽培は難しいのか

ラフランスが脚光を浴びるまでに長い時間がかかった原因は、栽培の難しさです。

花が開花してから実るまでに5ヵ月程度かかる

実をつけてから収穫まで他の洋梨よりも1か月長い

病害に弱い

悪天候の影響を受けやすい

収穫の時期に台風の被害を受けやすい

追熟の見極めが難しい

このようにラフランスの栽培は手間やコストがかかるのに不作になる可能性も高いため、不遇の時代が続きました。

ラフランス発祥の地であるフランスでも栽培が思うようにいかず、1900年代初頭に絶滅し、現在ラフランスを栽培しているのは日本のみです。

山形県のラフランス生産量が全国第1位の理由

世界で唯一ラフランスを栽培している日本で、生産量第1位を誇る山形県。

山形県がラフランスの生産量を安定させられた理由は、2つあります。

ラフランス栽培に適した土壌と気温

県全体で収穫の解禁日を設定

それぞれの理由について、詳しく解説します。

ラフランス栽培に適した豊かな土壌と昼夜の温度差

山形県は盆地気候のため、夏の昼間は暑く夜は肌寒さを感じるほど冷え込みます。

その昼夜の温度差がラフランスなどの西洋梨に適しており、果実の成長や糖度を促してくれます。

また冬の雪が春に湧水となり田畑を潤してくれる点や、広大な土壌が存在するなど、果物栽培に適した自然環境が整っているのも大きな要因です。

食べ頃に近いラフランスを出荷するために収穫の解禁日を設定

山形県では、ラフランスの出荷量や品質を一定以上に保つためにラフランスの収穫解禁日を設けています。

解禁日は山形県とJAが共同で、ラフランスの甘さの源であるデンプン量や天候などを見極めながら決定します。

こうした人々の努力や想いによって、山形では毎年安定した生産や味を供給できるのです。

山形県で生産されるラフランス2選

山形県で生産されているラフランスは、主に2品種です。

ラフランス

ゴールド・ラフランス

それぞれの品種の特徴について、詳しく紹介します。

ラフランス

ラフランスは、とろけるような食感と芳醇な味わいで洋梨の女王と呼ばれています。

収穫時期10月上旬~10月下旬
特徴・甘さのなかに程よい酸味
・ラフランス独特の芳醇な香り
・なめらかな舌触り

他の果物にはない、なめらかな食感と濃厚な味に根強いファンが多い果実です。

見た目の変化が少なく追熟の見極めが難しいですが、だいたい出荷から10日~14日頃が食べ頃の目安とされています。

ゴールド・ラフランス

ゴールド・ラフランスは、通常のラフランスよりもさらに栽培が難しい希少な品種です。

収穫時期10月中旬~11月上旬
特徴・一般的なラフランスよりも小さめ
・皮が金色
・濃厚な香りとクリーミーな舌触り
・生産量が少ない

緑系ラフランスの舌触りや香りをさらに上級にしたものと評判が高いですが、絶滅寸前になった歴史もあり、現在も生産量が停滞している品種です。

山形県で生産されるラフランス以外の西洋梨5選

西洋梨王国とよばれる山形県では、ラフランス以外の西洋梨の生産も活発です。

なかにはラフランスと交配して生まれた、山形県オリジナルの品種も存在します。

山形県で生産している主な西洋梨は、以下の品種です。

オーロラ

バラード

メウリッチ

ラ・ネージュ

シルバーベル

それぞれの品種の特徴について、くわしく紹介します。 

オーロラ

オーロラは、アメリカで「マルゲリット・マリーラ」と「バートレット」という西洋梨を交配して生まれた品種です。

収穫時期9月中旬~9月下旬
特徴・1玉あたりの重さが400g前後と大きめ
・果皮は黄緑色で全体的にサビがある
・優しい甘みと爽やかな酸味
・洋梨特有のざらつき感が少ない

オーロラは旬が早く、西洋梨のなかで最も早く市場に出回ります

ラフランスより甘さは控えめですが、洋梨特有のざらつき感が少ない点が魅力です。

バラード

バラードは、「ラフランス」と「バートレット」という西洋梨を交配した山形県オリジナルの新品種です。

収穫時期9月中旬~9月下旬
特徴・1玉あたりの重さが450g前後と大玉
・果皮は黄緑色で熟すと黄色味が増す
・糖度が15~17度と高く優しい酸味
・ソフトな口当たり

大玉で柔らかな酸味と口当たりが特徴のバラードは、食べ応え抜群の品種です。

またラフランスと比較して熟成具合がわかりやすく、食べ頃になると果実全体が黄緑から黄色に変化し、甘い香りが鼻をくすぐります。

メウリッチ

メウリッチは、「ラフランス」と「ミクルマス・ネリス」という西洋梨を交配した山形県オリジナルの新品種です。

収穫時期9月下旬~10月中旬
特徴・ラフランスよりも小ぶり
・果皮全体にサビが多く黄色味が強い
・糖度が16~17度と高く酸味も強い

ラフランスよりも味が濃く、少しざらりとした舌触りが特徴です。

ラフランスよりも10日程度早く収穫できるため、10月上旬頃から食べ頃をむかえます。

ラ・ネージュ

ラ・ネージュは生産者が非常に少なく、年間の生産数が限られている貴重な西洋梨です。

収穫時期11月下旬~12月下旬
特徴・ラフランスよりも一回り小さい
・パリパリとした硬めの食感
・糖度が高く爽やかな味わい

小さな身に果汁がギュッとつまっているため、他の西洋梨よりも食感が硬めに感じられます。

食べ応えが欲しい方に選ばれる品種です。

シルバーベル

シルバーベルも山形県生まれの西洋梨で、ラフランスが突然変異したものを選抜育成した品種です。

収穫時期11月中旬~12月上旬
特徴・1玉の重さが450g前後になる大玉
・甘みの中に優しい酸味がある
・とろけるような舌触り
・果皮は黄緑色で熟すと黄色味が増す

他の品種と比較して収穫時期が遅いため、クリスマス頃まで楽しめるのが特徴です。

完熟すると果皮が黄緑色から黄色に変化するので、視覚で食べ頃を見極めやすいでしょう。

食べ頃のラフランスを購入するなら農家からお取り寄せがベスト

ラフランスは栽培だけでなく食べ頃の見極めも難しく、完熟前の硬い状態で食べてしまうと美味しさが激減してしまうのが難点です。

もしラフランスをいちばん美味しい状態で食べたい場合は、産地にある農家さんがおこなう予約販売やお取り寄せがおすすめです。

食べ頃を計算して配送してくれるため、質や食べ頃を見極めなくてもまろやかで芳醇なラフランスを味わえます。

まとめ

山形県の代表的な果物となったラフランス。

しかし名産になるまで100年以上かかるほど栽培が難しく、凸凹な見た目でも損をしていた歴史もあります。

現在はラフランスを普及したい人々の研究と想いのおかげで、秋になったら当たり前のようにラフランスをはじめとする西洋梨が手軽に楽しめるようになりました。
ラフランスの旬の季節には、ぜひ山形県産のクリーミーで濃厚なラフランスを味わってみてくださいね。

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